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躾も“感覚的吸収が最盛”の幼児期なら、どの子にも真っ当な規範意識が自然に宿る。“理屈より感覚”

 

 早くも今年度二ケ月を経過する。先月は年中長2学年が授業参観、また今月は3学年とも父親参観があり、どの学年からも成長ぶりが確認できて喜んだ。そして先日はいずみグループのナーサリ新松戸を、加えて漢字やMS音感を実践する福島と山梨の友好園も見学して刺激になった。特に友好園から「MSをしっかりやらないと教育・子育てが立ち行かない」との声を耳にしての見学で私も熱が入った。私共は幼児時の感覚脳の成長促進を図るため具体的な良き刺激として、専らMSや漢字、体育等の日々の生活体験での繰り返しを最大利用して取り組んでいるが、総じて技能の向上のみならず、どの園のどの子からも集中力や持続性等も年齢以上で、態度や行動振る舞いも機敏で心の素直さも窺えたのである。正に「インプットに嘘はない」が実感できて正直喜んだ。「MSは凄い、漢字も凄い」が実感され、幼子だが行動規範にもケジメがあり、先生の話にも目が向き耳を傾ける様子に「躾が整い」、この先の成長が本当に楽しみに思えたのである。
 さて、この幼児期の躾だが、本園創立当初から「躾は、子育てそのもの」と考えるが、実践では試行錯誤の連続で悩んだ時期もあった。漢字やMS音感の実践後は子供の成長の様子から、また近年は脳科学の成果での見識も相まって目的や目標が明解になり確信をもって実践している。いかし世間一般では未だにあり方自体もいろいろ聞こえてきて、これでは「子育ては不安」な親が量産されて大変だなと危惧する。未だに知育脳の発達が遅い幼児故か、躾は「理屈が先か、感覚が先か」、躾ける時期の最適時はいつかの議論に留まる現状を心配する。このことの正解が行政や教員保育士養成機関の現場からも明解なことは現状でも見受けられない。
 躾で20年前から学園便りでも私が触れた林道義元東京女子大学教授の見解を再度紹介する。以下‥『子供の規範意識が薄くなったと言われてから久しく、かつての子供が大人になっているので、今日では大人の規範意識も薄くなっています。「子供のうちは元気に丈夫に育てばよい。躾は大きくなってからすればよい」という考えの人がいますが、しかしそれは大きな間違いです。躾は子供が大きくなればなるほど難しくなります。幼少期でないと出来ないのです。何故かというと、躾というものは、理屈で納得させて身に付けさせるというものではないからです。躾がうまくいくためには、個々のルールを教える前に、その基礎となる「ルール感覚」というものを身に付けさせる必要があります。これは「世の中にはルールというものがあるので」ということを、理屈でなく、感覚として、身に付けさせることです。感覚ですから、幼少期に知らず知らずのうちに覚えこませてしまわなければなりません。「ルール感覚」を身に付けさせるのに最も良い方法は、毎日の正しい生活習慣を守らせることです。寝る時間、起きる時間、3度の食事の時間、これらを大体決めておいて、それを必ず守らせます。これだけで良いのです。これで私の名付けた「秩序感覚」が植え付けられます。「秩序感覚」が一旦出来上がってしまうと秩序の無い出鱈目な空間に置かれると、何だか落ち着かなくて不安な感じがします。何らかの一定の秩序があったほうが、落ち着いていられるのです。こういう感覚が出来上がっていると、個々の躾をする時のも「こうするものですよ」と教えると、スッと身に付きます。感覚的基礎がないと、何度も口を酸っぱくして言っても、なかなか身に付きません。「規範意識」を育てるためには、幼児期での感覚的な基礎が大切なのです』。一読で私には正に同感。私の幼児教育の経歴と我が子育ての経験からもこの指摘は的を射る見識と言えた。今でも世の母親が幼少の我が子に理屈で言い聞かせるような光景を目にするが、上手くいった例がない。これは「右脳と左脳の役割と発達の様子」から容易に推測され、知育脳の発達が未熟で、理屈で分るは6歳後半と遅い。また幼児期の能力吸収は「真似る」ことと「繰り返し」にあり、「躾」のあり方も同様で、親もこのことの理解と適切な環境設定での躾を行うことが基本なのである。脳内ホルモンのオキシトシン・共感力アップやセロトニン・幸福感アップ、ドーパミン・やる気アップ等の分泌から解説する本もあるが、言い換えると放任が過ぎてもダメ、過保護でもダメで、親自身が基本的生活習慣等の子育ち環境を上手に整え、親が我が子の良きお手本となり、毎日朗らかに過ごすことが基本となるのである。               
 MSは「準備ハイ」「用意ハイ」と皆で取組む際のケジメを一番大切にしている。MS創始者の譜久里氏は『幼児には喜んでいることが伝わると、この「ハイ」一つででも楽しんで一生懸命真似る。これが規範意識なり「前向きな心情や心の素直さが自然に宿る」と40年以上も前に断言されていた。MSの繰り返しから善悪美醜の感覚を感覚脳の成長する最盛期に日々体験するのである。幼児期は理屈より感覚的吸収が優先、よってMSや漢字で感覚脳が自然に伸長する。体験は集団でなされるのでより効果的となりケジメ感覚が強まり規範意識が宿って躾が自然になされるのである。MS実践園は皆同様で、感覚脳の考察から林教授の話も納得なのである。

 
 
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