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“ならぬことはならぬものです”は規範意識や躾の感覚を自然に育む“幼児期の躾は理屈より感覚です”

 

 コロナ禍だが先日2年ぶりに例年に近い形で入園式を行った。式は入園児の名前を呼ぶので時間を要すが、概ね落ち着いて「ハイ」の返事が私の耳にも届いた。年長児のお祝いの演奏でも気配を察し耳を傾けて50分間があっという間に過ぎた。翌週からの登園の様子は卵から孵った雛の賑やかさもあるが、総じて教室では落ち着いて、僅か生後3年過ぎでもその成長には感動を覚える。式の主な意義は「誰が入園したかを確認する」にあるので、返事の曖昧さも予想されるが、意義を尊重し園創立時から点呼している。しかし、近隣公立小の入学式では点呼なしで所要時間30分足らずである。いわゆる“幼保小接続期への配慮”の表れだろうが、これには首を傾げる。「出来ないから」を学校側が言い訳にして、晴れの門出を意義の乏しくしては、先の学校生活にも心持たなさを感じる。これでは『小一プロブレム』を解決する力が学校にあるのか心配である。『小一プロブレム』は授業中に着席できず走り回る子や、騒いで授業が成り立たない状態が続くことを指すが、原因は子どもが就学に向けての準備が出来ていないことにしている。現象面だけを見ればそうだが、子供は環境の中で育つ。であるならば、その原因を作り出しているのはむしろ大人の側であろう。学校の内容を幼稚化して迎合するよりも、根本的に躾の在り方や指導方法に問題があるように思えるのだが…。
 さて、子育ては幼児期の「躾」の在り方や考え方が基本だが、このことで先ず20余年前の園便りでも紹介の林道義元東京女子大学教授の教えを紹介する。以下…「子供の規範意識が薄くなったと言われてから久しく、かつての子供が大人になっているので今日では大人の規範意識も薄くなっている。「子供のうちは元気に丈夫で、躾は大きくなってからでもよい」という声もあるが、それは大きな間違い。躾は子供が大きくなればなるほど難しくなり、幼少期でないと上手く出来ない。何故かというと、躾は理屈で納得させて身に付けさせるというものではないからである。躾は個々のルールを教える前にその基礎となる「ルール感覚」というものを身に付けさせる必要があり、「世の中にはルールというものがあるので」ということを理屈でなく、感覚として身に付けさせる。感覚だから、感覚機能の盛んな幼少期に知らず知らずのうちに覚えこませてしまうことが重要なのである。「ルール感覚」を身に付けさせるのに最良の方法は毎日の正しい生活習慣を守らせること。寝る時間、起きる時間、3度の食事の時間、これらを大体決めておいてそれを必ず守らせる。これだけでも私の名付けた「秩序感覚」が宿ってくる。これが一旦出来上がってしまうと無秩序で出鱈目な空間に置かれると何だか落ち着かなくて不安な感じで、何らかの一定の秩序があったほうが落ち着いていられる。こういう感覚が宿ってくると、個々の躾をするのも「こうするものですよ」と教えると、スッと身に付きます。感覚的な規範がないと、何度も口を酸っぱくして言っても、なかなか身に付かない。「規範意識」を育てるためには、幼児期での感覚的な蓄積が重要なのである…」。私も林元教授の教えに同感である。母親が時々2,3歳の子に理屈を話し言い聞かせて理解を求めるようなことをしている光景を目にするが、上手くいった例を見ない。これは脳科学の知見からも容易に推測される、理屈で分るようになるには未だ先で、ゆえに理屈では通じず、声や顔つきも厳しくなるので全くの逆効果となるのである。
 次に、表題の「ならぬことはならぬものです」は会津藩什の掟の結びの言葉であるが、本園では他にも「履物を揃えましょう」等、30年以上前から毎日皆で言葉を口にしている。無意識に母国語が定着する幼少期に良き言葉の言霊が宿るようにとの考えからである。いつのまにか家庭でも履物が揃われて驚いたという家庭があることも聞いて私も喜んだ。什の掟には「虚言を言ってはなりませぬ」「卑怯な振る舞いをしてはなりませぬ」「弱いものをいじめてはなりませぬ」等々あるが、特に、結びの言葉について著書『国家の品格』の数学者・藤原正彦氏は、「要するにこれは『問答無用』といっている。これが最も重要で、全てを倫理で説明しようとすることはできない。だからこそ、『ならぬことはならぬものです』です。本当に重要なことは、親や先生が幼いうちから押し付けないといけません。たいていの場合、説明など不要です。頭ごなしに押し付けてもよい。もちろん子供は反発したり、後になって別の価値観を見出すかもしれません。それはそれでよい。初めに何かに基準を与えないと子供として動きがとれない。戦後の我が国の学校では論理的に説明できることだけを教えるようになりました。戦前の非論理的なことを教えすぎた反省からですが、反省し過ぎた結果、最も大切なことがすっぽり欠落してしまったのです。」脳科学の知見からも納得の考えである。
 幼児期の能力吸収は「真似る」ことと「繰り返し」にあり、「躾」のあり方も同様で、放任が過ぎてもダメ、過保護でもダメで、親自身が子育て環境を上手に整え、良きお手本となり、毎日を過ごすことが基本となる。

 
 
 
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